そして、一ヵ月後…
俺は復帰した。先輩たちは引退した。
新たに部長に稲葉。副部長に石岡。キャプテンが俺になった。
新たな気持ちで練習をした。
10月のある日、部活は三日間休みになり、その間に颯希とデートすることになった。
デート当日、俺たちは海に行った。ここは、麗青海岸で別名は光る海。世界で一番光っている海と言われている。その光は言葉に表せない。
一日、二人は楽しんだ。夕陽はとくに違った。
「神様って残酷。辛い時間は長いのに…楽しい時間は早いんだもの…」颯希は夕陽を見ながら寂しげに言った。
「あぁ。野球もそうだな〜。長いのにマウンドにいる間は短い。」俺はこう言ったが彼女が言ったあの言葉の意味は違った。
俺は、彼女を家に送っていった時、彼女は別れる前に「今日の事は忘れないわ。また行きたいな…じゃぁね。」「また行こうぜ。」俺はこれしか言えなかった。
本当に俺は鈍かった。何で、気付かなかったんだろう。今考えれば、あの時の彼女の言葉は、俺にこう聞いてほしかったんだろう。「それ、どういう意味?」って…