善悪

森田  2006-12-18投稿
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朱実『はぁ…はぁ…』

視界が薄赤い…。


周りには血まみれで蹲る奴や、気絶している奴、泣きながら命乞いをする奴等が十数人。

やってしまった…。


俺は間違っていたのだろうか…?


誰か…教えてくれ…。






朱実『あぁ…』


なんて夢だ…。


とりあえず身を起こす。


時刻は七時。


俺の自由時間が学業に励む時間に切り替わる。


朱実『今日も学校に行くか』


一人呟き、少しでも学校に行く意欲を駆り立てる。


こうして、俺内山朱実(うちやま あかみ)の一日は始まる。




通学路まで軽快にやってきた。


冬真っただ中だということを、自分の吐き出す息をみて実感した。

聡『よーすっ!赤実』

後ろから声をかけられた。


赤実『なんか沸いて出たっ』


聡『人をボウフラみたいに言うなよ!』


赤実『ボウフラに謝れよカス』


聡『そんな酷いこと言うなよ!そんなに俺が受け入れられないか!?』


こいつだけ朝から無駄にテンション高いからウザイんだよな。


こいつは石村聡(いしむら さとし)。


残念なことに俺の友人だ。


運動はできるが、勉強はダメダメ。そして、彼女いない歴=年齢な悲しい男だ。


聡『お前だって彼女いないだろ!』


考えを読まれた…。


赤実『お前人の考え読むのやめろ。なんか怖いから』


早足でこいつから距離を保つ。


聡『お前の考えてることが表情に出る…ってホントにそんなこと考えてたのかよ!?』


赤実『今日も寒いな…』


聡『無視しないでくれよ。修学旅行で共に夜を過ごした仲だろ』


さらに歩く速度を上げる。


聡『ちょ、まって!置いてかないで親友!』

俺は目を潤ませ必死について来る


まぁ視界に入れるだけ無駄だろう。


さぁて、今日も一日頑張るぞ

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