朱実『はぁ…はぁ…』
視界が薄赤い…。
周りには血まみれで蹲る奴や、気絶している奴、泣きながら命乞いをする奴等が十数人。
やってしまった…。
俺は間違っていたのだろうか…?
誰か…教えてくれ…。
朱実『あぁ…』
なんて夢だ…。
とりあえず身を起こす。
時刻は七時。
俺の自由時間が学業に励む時間に切り替わる。
朱実『今日も学校に行くか』
一人呟き、少しでも学校に行く意欲を駆り立てる。
こうして、俺内山朱実(うちやま あかみ)の一日は始まる。
通学路まで軽快にやってきた。
冬真っただ中だということを、自分の吐き出す息をみて実感した。
聡『よーすっ!赤実』
後ろから声をかけられた。
赤実『なんか沸いて出たっ』
聡『人をボウフラみたいに言うなよ!』
赤実『ボウフラに謝れよカス』
聡『そんな酷いこと言うなよ!そんなに俺が受け入れられないか!?』
こいつだけ朝から無駄にテンション高いからウザイんだよな。
こいつは石村聡(いしむら さとし)。
残念なことに俺の友人だ。
運動はできるが、勉強はダメダメ。そして、彼女いない歴=年齢な悲しい男だ。
聡『お前だって彼女いないだろ!』
考えを読まれた…。
赤実『お前人の考え読むのやめろ。なんか怖いから』
早足でこいつから距離を保つ。
聡『お前の考えてることが表情に出る…ってホントにそんなこと考えてたのかよ!?』
赤実『今日も寒いな…』
聡『無視しないでくれよ。修学旅行で共に夜を過ごした仲だろ』
さらに歩く速度を上げる。
聡『ちょ、まって!置いてかないで親友!』
俺は目を潤ませ必死について来る
まぁ視界に入れるだけ無駄だろう。
さぁて、今日も一日頑張るぞ