いつも姉と比較されて生きてきた。
私達姉妹はお金持ちの娘。
おしとやかな姉と活発な私はいつも比べられた。
私の話し方、趣味、学力、何をするにも姉と比べられ、両親に罵倒されてきた。
でも姉はいつも私を庇う。
昔から両親に怒られる私をいつも庇うお姉ちゃん。
すごく憎い。憎い。憎い。
姉は偽善者だ。
惨めな私を心のどこかで笑い、哀れんでいる。
人に優しくしていれば自分はいい人でいられると思ってる。
そして自分はなんていい人だろうと、優越感に浸る。最低な女。
忌々しい…。
姉に慰められる度に胸の奥から殺意が込み上げる。
殺してやる…。
いつか殺してやろうとナイフを買った。
そして時はすぐにきた。
望『今日ねっ、従兄弟の之秀君が遊びにくるんだって』
之秀…確か姉の婚約者だか許婚だとか。
望『もう私楽しみでいてもたってもいられませんねぇ』
その言葉を聞いた途端、黒い感情が私を支配した。
何をしたのかはあまり覚えていない。
ただ、私の部屋が部屋が姉の血で汚れていた。
今まで姉を動かしていた物が部屋に何個も落ちている。
胸の奥がすーっとした。
騒ぎに駆け付けた母が悲鳴をあげた。
五月蠅かったので黙らした。
その後は…後は…。
お父さんがなんとかしてくれた。
妙に優しかった、気持ち悪い。
変な薬も飲まされた。
その結果、今の私がいる。