万華鏡(13話)

飛水  2006-12-18投稿
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瞬のことを聞いたあの日から8日が経った。

今日私は凌と病院に行く。
途中で可愛い黄色の花束を買った。

駅からバスでゆられること10分、ここら辺で一番大きな病院へと辿り着いた。

自動扉が開くと病院特有のにおいがした。
エレベーターに乗り7階へとあがる。
7階は呼吸器外科だ。


ナースステーションで受付を済ませ病室へと向かう。

廊下を歩いてすぐに見つけた。

【706号室 木崎瞬様】

‥本当にそうなんだと改めて思いながら扉を開いた。
真っ白で殺風景な部屋だった。4人部屋、右の窓側に瞬はいた。上半身だけ起こし、外をみていた。

瞬に近付く。

「よっ!」
っと凌が声をかける。

瞬が振り向いた。
笑顔になる。

「おぉー!2人とも来てくれたかー。」

やっぱり双子だ、笑顔までそっくりだった。
ただ‥前より少し痩せていた。左腕には点滴がついている。

『具合はどう?』

「うん。
おかげさまでだいぶいい。あっ、適当に座って。」

『うん。あっ、これ。』
花束を見せる。

「ありがとう!すげーきれーだな」

『でしょ?花瓶に移し替えてくるねっ』

「さんきゅ!」


病室を出る。
思わず溜息が出た。

あんなに元気なのに‥
‥嘘みたいだった。



花瓶に水をいれ、病室に戻った。
部屋を出る前と二人の様子がなにか‥違ってた。

『‥どうしたの?』

「ん?なにがぁ?♪」
っと笑顔で答える瞬。
瞬はティッシュを親指と人差し指でクルクルと丸めている。

『‥ううん
   なんでもない』

それから3人で色々なことを、話した。



私たちは1週間に1回は必ず瞬のお見舞いに行った。
しかしあるときから凌は来なくなった。
誘う度に「わるい、今日は用事あるから」って。


どうもバイトをしているらしかった。


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