今日はめずらしく晴れていた。
この大陸では晴れの日はあまりない。というのも、いつも曇っているか、雪が降っているかなのだ。理由は昔はちゃんと知っていた者もいたのだろうが、ライト達の世代の子ども達は知らないだろう。
ライト達が通っている学校でも、この大陸が常に冬である理由を「歴史」というカテゴリーで教えているのだが、その授業も曖昧で、ところどころ間違っている。
そろそろ、自己紹介をしよう。私はライトの祖父で、このシルキンスタウンの村長をやっている。村長といっても、肩書きだけだから、そう大した仕事もしていない。強いていうなら、タウンの見回りだけである。見回りといっても散歩がてらに独居のじいさん、ばあさんの家に行って、話をちょっときくだけだ。楽な仕事だ。次に名前だが、アルダ・サン。皆からは、アルさんと呼ばれている。
息子は、タウンの家々にたまった雪をおろして、稼いでいる。雪おろしは、結構疲れるから、だれかにやってもらいたい、といったタウンの人々の心をがっちり掴んだのだ。力仕事が好きな、息子にはぴったりな仕事だった。それを生業としているのだから、人生ばら色だろう。息子の名前は、アルダ・カイト。家族紹介はひとまず終わりだ。続