「夢の中で人が殺せるわけがない。どうせ子供の言っていることだとか何とか?そうさ、所詮は夢さ。そして僕は未成年で子供さ、それがとうした」
もう一度、彼女の死体に目をやり、ふっと鼻で笑う。
「金目当てで医者になろうなんて奴には医者を志してもらいたくないし、そんな奴に診てもらいたくもない」
「あんたは死んで正解だったんだ」
そして、ゆっくり彼の右側にいる少女に視線を移した。
「そう思いませんか、姉さん」
姉さんと呼ばれた少女は死体に目をやった。
紺のブレザーに紅の棒タイを締め、紺のハイソックスに黒のローファーを履き、右手に黒い鞄を持っている。この格好から、彼女がここから少し離れたところにある中堅進学校の生徒であることが分かる。
―続く―