葡萄牙(ポルトガル)

ゆきな  2006-12-18投稿
閲覧数[580] 良い投票[0] 悪い投票[0]

浜辺を散歩していてこう思った

大航海時代、男達は新大陸や印度(インド)に向けて

大海原へと旅立っていった

この国の先人達も、

金銀財宝や香辛料などを求めて旅立っていった

再び故郷の地を踏めるという保証は何処にもなくても……

嵐が来た

雷が大地を裂き、風雨が人や建物を鋭く尖った爪で引っかく

「舵を取れー」

「早くしろー!もたもたするなーっ!」

水夫達は口々に叫ぶ

ドォオォオオオォォオォン

大波が押し寄せ、丸々一そうの船を飲み込んだ

ボコッ、ボコッ、ボコッ、

男達は沈んでいく

真っ暗で、不可思議で、時に鋭い牙を見せる海の底へ

少しずつ、水圧と、水温が、男達の命をむしばんでいく

沈みながら男達は何を思ったのだろう

「助けてくれ」と神に祈ったのだろうか

それとも何か懺悔(ざんげ)でもしたのだろうか

誰にも分からない

ただ神と、己と、この大海原のみぞ知る



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ゆきな 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]
良い成分のみ使用
死海100%の入浴剤


▲ページトップ