2…返事
龍也から告白された次の日。
愛花は放課後、校門の前で彼を待っていた。
「遅くなってごめん!待った??」
汗をかいている龍也が言った。
「ううん。全然だよ」
本当は15分ぐらい待っていた。
そして二人は細い道を話しながら歩いた…。
「佐藤さんって…。部活吹奏楽部だよね?」
「え?どうして知ってるの?」
「俺…佐藤さんが一生懸命クラリネット吹いてるところを見て、好きになったから…」
トクン…
顔がだんだん熱くなる。
自分にはクラリネットしか得意なことがなくて、それを彼が見てくれていたと思うと、はずかしくて嬉しかった。
「ありがとう…」
そして…彼はそんなことで自分を好きになってくれた。
愛花はそんな彼に、いつのまにかひかれてしまっていた。
そして愛花の家についた。
「じゃぁまた明日…」
「え?…」
龍也が愛花の言った言葉にたずねた。
「あ、ごめん。明日も一緒に帰ってくれるのかなって思っちゃって…」
龍也が顔を赤くしながら言った。
愛花はその意味をやっと理解したのか、あとからだんだん自分の言ったことに後悔をする。
「でも…そう言ってくれて嬉しかったよ」
龍也が言った。
「うん…。」
下をむいたまま愛花も答えた。
「じゃぁまた明日も一緒に帰っていい?」
「うん。いいよ」
二人は笑いながら、言った。
家に入ってから愛花は携帯をみると、理奈からメールがきていた。
『Helloッ!!昨日から園部くんと帰ってるみたいだけど、どう?』
『う〜ん。結構楽しいゃ!二日だけでずいぶん話せるようになったし…。愛花もドキドキさせられっぱなしで…』
ピロリロリンッ
『まじで?じゃぁ愛花も園部くんの好きなんじゃないの?』
愛花は返事に困った。
愛花…園部くんの事好きなのかな…
まだ話したばかりなのに…
告白されてうかれちゃってるだけじゃないかな…
でも…もっと話したい。
知りたい…
愛花はそのこと素直に理奈へ伝えた。
ピロリロリンッ
『じゃぁ、そのこと素直に伝えればいいじゃん!友達から付き合ってください…みたいな』
『そうだよね。うん、そうする!』
−そうしよう…どっちかじゃなくたって。彼なら認めてくれる−
そして愛花は明日、彼へ返事をすることになった。