すきってひとこと、言えればよかった。
たった、それだけ。
今も胸の片隅。
残る傷跡。
なんだかな。
真っ青に透ける青空が恨めしかった。
心の中は、ずっと、雨が降り続いてるのに。
ね。
どこにいっちゃたの。
あたしだけ、こんなクソみたいな世界に独り残して。
サボりがひとりになっちゃったじゃない。
怒られんの、あたしだけじゃん。
なにしてんの。
はやく、帰ってきてよ。
ねぇ。
教室の隅の机の上には、淋しげな花が一輪揺れていた。