3…決断
愛花間違ってないよね…
「佐藤さんっ」
校門のところから手を振る龍也がいた。
昨日、彼に告られた。
いろいろ考えたけれど…一緒にいたい事に気付き、友達から付き合うことにした。
いつも帰ってる道を二人は並んで歩いていた。
なぜか昨日は、なにも感じなかったのに、彼に会うと心臓がバクバクする。
でも言わなきゃ…。
「あの…」
「あのさ…」
重なる二人の声。
「佐藤さんからでいいよ…」
「うん…」
愛花は深呼吸をし、ゆっくりと話し始めた。
「あの…ね、この間の返事…まだしてなかったよね…昨日、いろいろ考えてね、愛花…まだ園部くんのことよく知らないから…」
「でもこれから…」
突然龍也は言葉を、挟ませた。
「待って。まだ終わりじゃない…だから…よく知らないから…でも、愛花、園部くんの事もっと知りたいとか、もっと一緒にいたいとか、思うんだ。だからまだ半端な気持ちなんだけど…付き合ってください」
恐る恐る下を向いていた目を、彼の方へ向けた。
龍也は一瞬目を丸くしていたが、あとからだんだん顔を赤くして笑った。
可愛い顔がもっと可愛くなる…。
「ま、まじで?……えっと…半端でも付き合ってくれてうれしいよ。本当に…あの…ありがと…」
そう言われると、自分の言ったことが恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「うん…だから…そうゆうことだから」
「うん…」
話題を一生懸命探した。
「あの…さっき園部くんが言ようとしたことなに?」
「え…あ、たいしたことないんだけど。クリスマス会えないかなって思って…」
この人、見た目より積極的なんだな〜…
「あ、うん…あいてるよ。クリスマス…」
学校以外で会うの初めてだな〜…
「まじ?じゃぁ、会おうよ!…………愛花」
彼からでた最後の言葉が、自分をより赤く染めさせる…。
「うん……龍也」
恥ずかしくて、しかたなかったけど言ってみた。
幸せそうな笑顔だった…
愛花は自分の部屋のベットの上でひたすらメールをしていた。
あのあと、二人はメールアドレスを交換した。
龍也、今なんかすっごい幸せなんだ…。
愛花、後悔してる…。
自分の気持ちわかんないなんて、思ってたけど…
もうこんなにも…
龍也が好きなんだ…
けして半端じゃなくて…
胸いっぱいのこの思い。
今頃気付いちゃったみたいだよ…