いとしき君へ3

雪美  2006-12-19投稿
閲覧数[464] 良い投票[0] 悪い投票[0]

探し続けて、コンクールが開始されても、いつきは姿をあらわさず、携帯にいつきが交通事故で運ばれたという知らせが入った。
俺と親方と急いでいつきの運ばれた病院にタクシーに乗って急いだ。
まさかと言う気持ちが先立ち、不安に押しつぶされそうだった。
病院では手術室の前で、不安げに待つ、いつきの母といつきにそっくりの双子の妹のみずきが待っていた。
「会場の一つ手前の交差点で、跳ねられてたって聞いたの・・・」
辛そうににみずきが説明してくれた。
病院の白い廊下が、やけに寒々しく感じて、外は淡い雪がしんしんと降り始めていた。

そうそう、ここで言うのもなんだが、いつきは見た目は女に見えるほどの美人だが、あくまでも男だ、俺自身、女を愛する以上にいつきにほれてしまって三年、しかも現在は一緒に暮らしている。
表向きはルームメイトであって、口が裂けても恋人だなんて、人に言えるはずもなく、男同士穏やかな日々を続けてきた。
俺は店でよく言われるのは、ハーフのような顔立ちで、日本人離れしていると言われくっきりとした目鼻立ちをしている。
出会ったばかりの頃俺はあいつに一目ぼれをしていて、本気だけど冗談のつもりで付き合ってくれと言ったら、恥ずかしそうにうなづいた。
女なんかより、ずっと奥ゆかしいその姿に、ますますいつきを愛してしまったのだった。どうみても恋に落ちたのは、俺の方だったなー
やけにであった頃のことばかり、思い出しながら、いつきが助かって欲しいと願っていた。





投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 雪美 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
コンタクトのケアが変わる
洗浄1つで視界良好


▲ページトップ