滝君の蹴りが見事不審者の腰に命中しそいつは逃げていった。
「大丈夫かっ!?爽田!」
私は腰を抜かした。体中の震えがまだ止まらない。まだ微かに残る恐怖で声が出ない
「怖かったろ?お前が無事でよかったよ」
そう言って滝君は私の手をとり立ち上がらせた。怖くて流した涙のあとを滝君は手で
拭うとニコッと笑った。それで
安心したのか私の声は出るようになった。
「な、なんでここに…?」
「あ―…ほら不審者が出たって言っただろ?それってここら辺だったんだよ。」
「でも、だからって…なんで?」
「そりゃぁ女の子1人で帰ってるなんて
あぶないだろ〜が!?…それにいつも一緒に
帰ってる男いなかったしさ。」
「龍次?」
「…うん。」
龍次がいないからと行って追うまでするのか?と考えたが深くは聞くまいと思い
問うのを止めた。
「…本当にありがとね。もし滝君がいなかったらあたし…死んでたかも。」
「いいよ。そんじゃ俺部活の途中だし戻るな。帰りは気をつけろよ!!」
「うん!バイバイ。」
滝君と別れて家に着いてお母さんに不審者のことを言うとすごく心配してくれた。
―学校―\r
「終わった〜!!」
龍次は委員会が終わり校門を出るところだった。ちょうど滝が戻ってきた。
(あ、あいつって真子と同じクラスの…。)
龍次は滝の事を知っていた。モテてるからだ
その場を去ろうとした瞬間、滝が
「お前って女の子1人守れねぇのかよ。」
「は?」
吐き捨てて体育館へと向かい去った。
言われた龍次は何のことやらで只、
困り悩むことになりながら家路に着いた。