MORTAL〜ユイイツタシカナフサワシサ〜1日目ー?

コナタ  2006-12-20投稿
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「いてぇ・・・」
頬が熱を帯びていくのが分かる。
「はっは。まったく愚かだねぇ。嗚呼、なんて愚かな!!君の前にいるのは他の誰でもなく、他の何でもなく、唯一絶対の【死】という事象を司る神・・・死神なのだよ!!」
そう言った死神は、更に僕へ拳を打ち込む。
「あぁぁ・・・」
声にならない悲鳴が出る。
「ははははは!!分かってもらえるだろうか!?実感しているだろうか!?君では絶対にかなわないのだよ、・・・人の子が!!」
更にもう一撃・・・・・・・・・は、僕に当たらなかった。
「彼は私のものよん。勝手に手を出さないで頂戴。」
「・・・キリカ!?」
キリカの手が、僕の目の前で死神の手を掴んでいる。
「はっは。いつ出てくるかと思っていたが、少し遅過ぎはしないかい?君の彼は・・・ほら、もうこんなにボロボロだ。」
「相変わらず趣味が悪いのね。悪いのは性格だかと思っていたわ。・・・それにしても貴方、人間に、それも彼方の友達になりすまして、何をしているのかしら?」
「なんだ、そんなことか。理由は簡単さキリカ君、嗚呼、慈愛の死神と言うべきかな。ただ・・・彼、彼方君に興味があるだけさ。私はまだ、次につく人間がいない身なのでね。一言で言えば・・・暇つぶし、と言ったところさ。」
「暇人ねぇ・・・いや、暇神かしら?」そう嘯き、
「だけど、次に彼方に手をあげたら、それ相応の覚悟はしてもらうわよ。・・・悲劇の死神、さん?あは。」
妙な緊張感が漂う。
この2人は一体何なのだろう。
急に僕の死の宣告をしてきた死神。
クラスメートであり、友達であったはずの死神。
まったく・・・馬鹿馬鹿しい。
「嗚呼、興が醒めた。私はそろそろ行くとしよう。・・・では彼方君、また明日、だ」
そう言い彼は指を鳴らす。
「・・・!!」
と、彼は消えてしまっていた。
「相変わらずだわねぇ・・・じゃあ、私も消えようかしら。」
キリカは背を向け・・・はた、と立ち止まる。
「あぁ、そうそう。彼方?帰りはちゃんと男を見せなさいよ?死神には勝てなくとも、貴方は大抵の者より強いのだから・・・」
「ぇ・・・?」
僕がそう言うか言わないかの内に一陣の風が吹き込む。
「まったく・・・何がなんだかわからねぇよ・・・」
キリカはもう、消えていた。

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