恋愛中とはなんて恐いのだろう。あなたの一挙一動が私をいつも以上に喜ばせたり悲しませたりする。
例えば。例えば、あなたが笑顔で挨拶してくれたとする。それだけの事でいつもとは少し違った一日が始まる。
例えば。例えば、あなたが私の名前を呼んだとする。それだけの事で何千何万回と呼ばれてきた私の名前が特別な物の様に思えてくる。
例えば。例えば、今日の占いの恋愛運が悪かったとする。それだけの事で私は朝の忙しい時間にうろたえてしまう。
例えば。例えば、明日はあなたに会えないと分かったとする。それだけの事でその日の夜空の闇が一層暗く感じてしまう。
私の生活があなたを中心に過ぎていく。あなた、たった一人を中心に。でもそれは嫌なことじゃない。心地好い感覚が私の中に広がっていくのが分かるから。まるで生温いお湯に浸されていくかのように。
いずれあなたも私の事をそう感じてくれたらいいのに、と。それが今の私の願いです。