天使にしては陰気で、死神にしては陽気。
それが男の印象だった。
ヘラヘラと、どこか自虐的な笑顔の男は、開口一番
「お疲れ様でしたぁー」
思わずその顔を殴った。
天使も死神も似たようなものです、と腫れた顔で男は言った。
「結果的には死んで頂くんですから。」
確かに。死ぬのが嫌なら遣いは死神に見えるだろう。
つまりは人間の妄想。
神も幽霊も宗教も似たような物。
「生まれて頂きます」
これから私はどうなるの、という問いに、男はハッキリとそう答えた。
輪廻転生という物か。
何になりたいか、聞く男に、私は言った。
「私、あんたになりたいな。」