弾は真っ直ぐに飛び、男に当たると弾は膨れ上がり、男の身体を包む。入らなかった手足は回転しながら何処かに吹き飛び、身体は膨れ上がった風の弾に切り裂かれて、細かい肉片を撒き散らしながら、辺りを紅に染める。風が消えるとそこには、赤黒いカケラ、白い部分のある破片が残り、赤黒い水溜まりに浮かんでいた。
「依頼完了。これで今月も飢え死にはしないな」
喫茶店:緑の家
[閉店]とプレートの掛かったドアを開ける。
「ただいま」
そう言いながらコートを脱ぎ捨て、スーツも脱ぐと、シャツのボタンを外して脱ごうとする。
「おい!やめんか!」
そう怒鳴ったのは迷彩の服を着てエプロンをつけた白髪の多い彼は、ここの店長であり俺の育ての親、ハマリ・ウィス。歳は今年で50になるとか
「いいだろ、別に。誰もいないんだしさぁ」
「おい、ヘル、儂がいるだろうが…。それに、今のお前は女だ」
「今更『恥ずかしい』とか言うなよ?」
「そんなことはいわん。人前で脱ぐなと言っているんだ。」
「別にいいだろ、俺達は家族みたいなもんなんだから。それに、この格好だと服が大きいし、暑いんだ」
と言って、ボタンを外してシャツを脱いで裸になり、脱いだ服を拾う。
「はぁ…もういい…、そうだ、口調をちゃんと変えておけよ」
「わかってるよ」
カウンターの横にある扉を開け、自分の部屋へと行く。そして、下着を替え、Tシャツを着て薄地のズボンを履き、髪を結ぶ。
「よしっ、出来た♪」
今の自分の姿をもう一度見てみる。
10代半ば背は140位、性別は女、体付きが女らしくなる頃。髪は少し茶色が混じっていて腰まである髪を、ポニーテールにしている。服装は迷彩の上下を着ている。
扉を開け、店に入る。
「準備出来たよ」
「わかった。じゃあ頼んだぞ」
「は〜い」
一旦店の外に出て[閉店]を[開店]にして、店に戻る。
「終わったよ〜」
「さあっ、開店だ」
「はいっ♪」
時間は過ぎ昼
カラカランッ
「「いらっしゃい」ませ〜」
〜続く〜