すると男はいきなり叫び出した。
「知るものか!アイツは死んだッ死んだんだ!もういない!絶対にだ!何故なら!私達がッ私達が殺したのだから!この手で!アイツを!」
「………」
「私達は怖かった…。死ぬのが怖かったんだ…だから…だから……出来ているとは、思わなかった………」
男はそれきり黙り込んでしまった。
「………」
「………………」
ヘルは無言でナイフを取り出し男の首を飛ばした。
男は鮮血を噴き出しながらその場に崩れ落ちた。
「さよなら…」
〜次の日〜
「昨日の仕事、うまくいったか?」
「………」
「ヘル…?どうした?」
「………」
「おい!ヘル!聞いてんのか!ゴホッ、ゴホッ…」
大声で怒鳴った為か咳込む。
「…え?」
「駄目だな…、昨日何があったんじゃ…」
「………」
太陽が光り、雲はほとんど無く空はいい天気と言える。
しかし、気温はかなり高く入ってくる客は大抵汗だくになっていた。
店の中は涼しく、いつもより客が多かった。
「…ねぇ……」
「誰だ…?」
「…ヘル…」
「なんじゃ(わからなかった)…お前か…」
「…他に誰がいるの?」
「そうだな。で、なんじゃ」
「スクェン…何処にあるの?」
「スクェンか…、なぜ訊く?」
「行ってみたいの…お願い…」
「わかったよ…(いつになく弱々しいな)。ちょっと待ってろ」
そう言うとカウンターの下から地図を取り出した。
「ここが今いる所じゃ。そしてこっちがスクェンじゃ」
「遠い…それに、海の上?」
「ああそうじゃ。船が出ているからそれに乗ればいいじゃろう」
「うん…昼に行くから少し休むね…」
「おやすみ」
その日の昼
「いってきます」
「ああ。気をつけてな。連絡入れろよ」
「うん」
小さく頷き手を振って出て行く。
迷彩の上下に帽子をかぶり炎天下を歩く。
〜続く〜