いくら延長して営業していてももうとっくにスナックは終っている時間だ。
店では社長とママ以外は俺と美紀の関係は公表してなかった。
俺の上司にあたる店のマネージャーは、クラブが終ってから美紀のスナックに、よく飲みに行っていた。
美紀の事を気に入っている様子だ。
系列とはいえ、店内はもちろんのこと同じ系列でのホステスとの交際は禁止だった。
最初から付き合っていた俺達は、誰にも言わない約束で働いていた。
それを知らない俺の上司が美紀と寝たのだ。
俺とマネージャーじゃ、美紀にとって子供と大人の男なのだろう。
それに美紀には父親がいなかった。
それで親子ほど年の離れたマネージャーに魅かれていったのだろう。
帰って来なくなるまで、「まさか」と・・・思っていた。
後で分かったことだが
たまたま俺が参加しなかった、会社の慰安旅行で二人は親密になったらしい。
その旅行の時の仲良く写っている写真が隠してあるのを部屋で見つけて以来、なんとなく気にはなっていたのだが・・・。
まさか、こんな年上のやつに取られるとは思っていなかったのだ。
帰ってこなかった朝、
美紀が居ないことをどこかで祈りながら、俺はそのマネージャーの家に向かった。
気持ちが異常に高ぶっていた。