ナイト・オン・ドラグーン【35】話

Mr.Milk  2006-12-26投稿
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「あははっ!ごめんなさいね〜アタシってば、あなたたちのことてっきり敵かと思っちゃったっ。」
「リオ」と自らを名乗った彼女の明るい声が洞窟内に響いた。
「いいって。あの状況じゃあしょうがないからな」
そういってアインは苦笑をした。
「それにしても、あんな大きな斧を扱えるなんて、少し驚きました。」
マナがそう言うとアインも同じような疑問を抱いた。
「確かに、あの斧はとてつもなくデカかった」

洞窟内を先導して歩いていたリオが振り向き可愛らしく舌を出しながら説明した。
「へへ〜すごいでしょっ?」
見れば見るほどリオは幼く見えた、それもそのはずだった。自分はまだ十六だと言っていた。
背もアインより頭一つ小さく、マナの方が少し高いくらいだった。
そんな彼女が小さな体で自分の何倍もある斧を振り回していたのには、さすがに驚きを隠せなかった。
あの細い腕のどこにそんな力が…。
「そういえば…さっきの武器は…?」
アインはリオの両刃の斧【バトルアックス】と呼ばれる代物が彼女の手元に無いことに気付いた。
「邪魔だから、しまったよ☆」
リオはそう言いながら先へと歩んでいく。その後をアインとマナが追う。
「しまった?あなたも魔法が使えるの?」
マナがリオに尋ねる。
「ううん。残念ながら、魔法は使えないんだぁ…あたしが使えるのは錬金術☆」
「錬金術…?」
聞き慣れない言葉にアインは首を傾げた。
そのアインを差し引いて、マナは納得したようだった。
「なるほど…じゃあさっきの斧も錬金術で…」

「そだょ☆マナおねぇちゃん♪」

「マナ、錬金術ってなんだ?」
うまく話のつかめないアインはマナに聞き出した。
「錬金術とは、物質の性質を他の物に変える能力です。」
いまいち、という表情を浮かべていたアインにリオがやれやれと肩をすくませた。
「えっ…とわかりやすくいうと〜」
リオは近場にあった適度な岩肌に触れ、なにかを唱えた。
「…なっ!?」
アインはどうもくした。
なんとリオの触れている岩肌がみるみるうちに鉄の壁へと変わっていった。
「このよーにッ☆岩が鉄に変えられることが錬金術です!」
リオは得意げに咳ばらい一つし、腕を組んだ。



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