立ち上がった時にはすでに、GAは龍一の真後ろにいた、もちろん、左手を大きく掲げて‥‥
「ちきしょ‥」
【ズバンッッ!!!!】
言いおわるが先に、右からの大ビンタの方が速かった。
そのまま吹っ飛ばされ、龍一は校舎の壁に激突した。
【ドゴッ!!】
「げボっ‥!」
意識が飛びそうになるほどの衝撃ともに、龍一は腹から沸き上がってくる鉄の味を地面に撒き散らし、バタリと倒れた。
「‥‥‥!!!!」
昔、車と事故を起こしたことがあったが、全くその比では無かった。生きているのが不思議なくらいだった。
「ガフーッ」
【ズン‥ズン‥】
「ひっ‥ひっ‥!」
しかしそれでも、龍一は何とか逃げようと、左腕で這いつくばって前に進もうとする。
目には涙が浮かんでいた。へたをすると、失禁さえしかねない状態だった。
【ズン‥ズン‥】
GAが寄ってくる、その時だった
【ピシッ‥!‥ピシッ!‥ガラガラララ‥‥】
(‥‥?)
校舎が古すぎたせいか、先程に龍一が激突した時にできた亀裂が、音を立てて壁を崩していったのだ。
(‥‥‥ああっ!!)
龍一は壁の向うから出現したモノに、目を丸くした。それは‥‥‥
一つの、いや、一人の静止した『人間』だったのである。