第6ディメット暦187年14月04日
〜均衡を保つ街 サリュトス デクロス側〜
「珍しいですなリオン殿、朝早くから起きて鍛錬をしているとは。」
「……まだちょっと眠いんだけどな………」
時刻は6時頃、普段のリオンならまだ夢すら見ないレム睡眠の中にいるはずなのに、今日はかなり南に位置するサリュトスに雪でも降るんでしょうか?
「よろしければ、御手合わせ致そうか。」
「ああ。無論、木刀だがな。」
そう言うと素振りに使っていた木刀とは別の腰に指していた木刀を禅煌に放る。
「しからば一戦交えんぞや。」
「ああ、いつでもかかってきな!!」
禅煌
VS
リオン・ライオット
Practice Match Start
「兵は神速を尊ぶ、先手必勝!!」
(元とは言えXeroxの四天王だ、勝てばこれから先、四天王とも殺り合える!!)
『コォォォン』
木刀のぶつかる音が早朝の街に響く。
「牙吼旋(ガコウセン)!」
(空中から回転しながら攻めて来る。なら!弾き返してその隙を狙う!)
「龍翔斬(リュウショウザン)!」
(切り上げて弾き返し、崩れた隙を狙うつもりでござるな。カルファ峠の時より戦術が巧みになったが、まだまだそれがしには及ばん!)
『ガコォォォン』
木刀のぶつかる音が激しく響き渡ると、禅煌の体は宙に浮いていた。
「貰ったぁぁぁーーーー!!!!!
墜蛇断(ツイダダン)!!」
振りかぶり、木刀を振り下ろす、
「…………血気の勇に逸る事なかれ…………」
(禅煌の声………………後ろ!?)
『ドサァァン』
地に叩きつけられたリオン、振り下ろした先に禅煌の姿は無かった。
「これで仕舞かな。練習で怪我してはなるまい。」
「……………………………ぁぁ」
Practice Match Closing
Winner 禅煌
Loser リオン・ライオット
「なぁ禅煌。」
「如何致した?」
「なんかこぅ、魔法とかみたいで、俺みたいな奴でも使える技ってないかな?」
「ふむぅぅ…………………ならば、『八象術(ハッショウジュツ)』など如何かな?」
「八象術?なにそれ?」
「我が夜叉の一族に伝わる術でござる。詳しくはまた次回。」
「『次回』ってなんだよ…」
第17話『世界の理』続