?崖淵斜陽館…?

亜樹  2006-12-29投稿
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「随分寒く成ってきましたね」
「雪が降ってますよ」

道端で、向かい側から歩いて来た近所の、お爺さんとの会話。

家路に向かう私は、変な錯覚に、堕ちてしまった。

はて?

今、確かに近所の、お爺さんと認識して居たのに…

誰だったのか、思い出せないで居たのだ。

「参ったなぁ〜、歳取ったのかな。」

いや、確かに見覚えの有る、お爺さんだったな。

暫し、考えながら歩いて行くと、自宅とは反対の方角へと歩いて居る事に気がついた。

慌てて、自宅へと向かうと…

自宅の前に、さっき会った、お爺さんの姿が有った。


取り敢えず、声を掛けた。
「お爺さん、この家に何か、用事でも在るのですか。」



「息子よ。お前も歳だな、ボケてきたみたいだな。」

老人は笑った。


私も80歳かぁ。

高年齢層の多い時代に成ったものだ。

見上げた空には、人工太陽が、夕焼けを造り出して居た。



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