『ねぇ』
体を揺すられる。
赤実『…………』
『いい加減起きたら?』
五月蠅いな…。
赤実『…ん……あ?』
突然、天から落ちたような、それでいて天に引っ張り上げられたような気もする不思議な感覚を覚える。
同時に伏せていた顔を起こす。
『…やっと起きた』
聞き覚えのない声のした方を向く。
赤実『…………』
俺の席は最後尾で隣に机はない。
しかし、今はある。
赤実『…誰だ、お前』
『私?平井琴海』
平井琴海(ひらいことみ)と名乗った女の子は愛想の良い笑みを浮かべ、俺の反応を伺う。
赤実『……夢か』
そうだ、きっとまだ夢の途中なんだ。
じゃなきゃこんな状況理解できない。
琴海『いや、夢じゃないから』
机に突伏そうとした俺を軽く叩き突っ込んできた。
感覚がある。
夢ではないようだ。
赤実『…』
琴海『そんな理解不能って顔されても…』
なんだか知らんが困っていた。
聡『…何やってんだ、お前ら?』
聡が沸いて出た。
赤実『おぉ!聡、説明してくれ。こいつは誰だ?何故こんな所にいる?』
琴海を指差し告げた。
琴海『こいつって…』
聡『…は?』
んだよ、心底不思議そうな面しやがって。
聡『…朝聞いたろ?もう忘れたのか?ボケたか?』
赤実『…寝てたんだよ、いいから教えろ』
呆れた表情をしている聡に目潰しをした。