貴方は、特別格好良くもないしお洒落でもないし、成績も身長も普通で、どこにでもいるような人だった。
そんな貴方の想いに気が付いたのは、高校の卒業式の時。
部活の後輩から綺麗な色紙と花束を貰って、部員で最後にカラオケに行こうと昇降口に出た時、
「先輩。」
貴方に話かけられた。
3月とは言っても、外はまだ寒くて、ベージュのマフラーに埋めた貴方の顔は赤く染まっていた。
「卒業おめでとうございます」
いつもの、穏やかな笑顔で言われて、思わず私もはにかんで礼を言う。と、
「俺、絶対、先輩と同じ大学行きます」
ねぇ、
深読みしていいの?