「お前にだけは言われたくないセリフだな。」
悠吏がそう言うと、久は女子が見たら一瞬にしてノックアウト(笑)されそうな不敵な笑みを浮かべて言った。
「褒めてんだぞ?そう睨むなよ。」
「どこが褒めてんだよ。」
久は、それには答えず下に落とされたチョコの山を見つめた。
「まだ、直んねぇのかよ。チョコ嫌い。」
「嫌いなモノは嫌いなんだから直るも何もねぇよ。つうか毎年毎年血走った目で追いかけ回されて見ろ。治るもんも治らねぇだろ。」
「それは、お前が逃げるからだろうが。」
「だってチョコなんていらねぇもん。」
すると久は、半ば呆れたような顔をして言った。
「お前、そのセリフを毎年、母親からしかもらえない悲しい男共に言って見ろ。袋叩きだぞ。」