召喚天使

沢森奈々  2007-01-01投稿
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(…見つけた。)
男は、一人の少年を見て笑った。

〜3日前〜
「なぁ、知ってる?今、天使を呼び出せるっつうおまじないが流行ってんの。」
きっかけは友人の何気ない一言だった。
「知らない。何それ?」
「何か、学校中で流行ってんだってよ。そのおまじない試した奴で、急に運がよくなった奴もいるらしい。」
「へぇー。」
相づちを打ちながらも、あまり興味は湧かなかった。
「そんでさ、そのおまじないに使う紙が回って来たんだけどさ。ちょっとやってみねぇ?」
そう、この時も僕は天使なんてこれっぽっちも信じていなくて
「いいよ。」
と答えたのも、友人の付き合いだった。
「じゃあ、放課後な!」
「うん。」

―放課後。
「これなんだけどよ…。」
そう言って友人は僕に一枚の紙を見せた。
よくファンタジー何かで見掛ける魔方陣のようなものが書いてあった。 (何か妙に本格的だな…。)
「じゃあ、俺からやってみるな。」
そう言って友人は魔方陣の上に手をのせて、呟いた。
「魂を司る聖なる使徒よ。我の前に今、姿を表さん。我に力を…。」
…何も起らない。
「やっぱ無理かぁ。」
友人は、残念そうに言った。
「せっかくだから、お前もやってみろよ。」
「僕も?」
「だってなんか俺、馬鹿みたいじゃねえか。ほら!」
友人に急かされて魔方陣の上に手を置く。
ピリッ!
手の平に電流が走った気がした。
(何だ?今の。)
友人は、気付かなかったらしく
「早くやれよ〜。」
と促してくる。
(もうどうにでもなれ!)
半ばヤケで友人と同じセリフを言った。
…何も起らない。
僕は拍子抜けした。
(やっぱ、あれは僕の気のせいだったのか?)
「ちぇっ!やっぱデマだったのか〜。」
「まあ、そういうものでしょ。」
しかし、僕は知ることになる。この魔方陣がデマなんかではないことを…。



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