〜3日後〜
僕は友人達と、しゃべりながら帰っていた。
その時、友人の一人が
「なぁ、あれやばくねぇ?」
と言った。
視線の先には、昼間から高そうな黒いスーツにグラサンという。若いが、見るからに善良な一般市民ではなさそうな男が立っていた。
「やばいな…。」
「おい!しかもこっち来てるぞ…。」
その男は、確かにこっちに向かって来ていた。
「逃げようぜ。」
友人達は、せぇので散った。
僕は、動けなかった。
友人が、何してんだよ。という顔をしていたが、動けなかった。
男は、俺の前で立ち止まると、
「お前か!」
そう言った。しかし、その瞬間ちょうど男の携帯がなった。
やっと体が自由になった。
僕は、駆け出す。
遠くから事態を見守っていた友人達も、ほっとしたように走り出していた。
今日はこのまま解散になりそうだ。
(お前かってどういう事だ?)
走りながらそんな事を考えていた。
―その夜。
部屋で、勉強をしていると、
コンコン!
窓を叩くような音がした。
(何だ?)
カーテンを開ける。
「ひっ!」
そこには、昼間の男が立っていた。
いや、浮いていた。という方が正しいかもしれない。
男は、窓を開けろという動作をした。
(えっ!何で…。)
しかし、ここで断ったら何をされるかわからない。
僕は、ゆっくりと窓を開けた。
「よおっ!」
男は、まるで友人に挨拶するかのような気安さで言った。
「よおって…。あんた、何者だよ!?」
僕が、混乱しながらそう叫ぶと、
「自分で呼び出しといてそれはないんじゃねぇの?ったくこっちは忙しいってのに。」
そう言って、人の部屋をジロジロ眺め回していたが、机の上の魔方陣を見つけた瞬間顔色が変わった。
「お前、これどこで手に入れた?」
「何で?」
「いいから、答えろ。」
「友達にもらった。」
「その友達が書いたのか?」
「違う。誰にもらったって言ってた。」
「そうか。チッ。」
何がなんだかわからない。だが、とりあえずの疑問は 、
「結局、あんたは誰なんだ?」
男は面倒臭そうに答えた。