その日から吸血鬼狩りは始まった。
この町の人間はもう全てが吸血鬼化していた。俺と先輩は二人協力しながら一人一人殺していった。ー「今日はこれくらいにしましょう。あまり殺すという行為は好ましくありますんから。」
ー「分かりました。先輩、少し疲れ気味ですよ?もうちょっとゆっくりやりません?」
そんな俺のささいな一言に、先輩は声を荒らげた。
ー「何を言っているのです!早くしないと、吸血鬼化はこの町だけではなくなり、全国になってしまいます!吸血鬼が吸血鬼をつくる…こんな恐ろしいことは、すぐに原因を絶たなければならないのです!」
すごい剣幕で俺に近づいたので、俺は怖くなってしまった。…先輩がこんなに怖がるなんて
俺は無言のまま先輩と一緒に家に帰った。
吸血鬼が吸血鬼を生む。
これがどんなに恐ろしいことか…俺は後に体験することとなった。