さらに続けた。「俺は、七海ちゃんと仲良くなりたくて今日誘ったのに、びっくりさせてごめん。でも、僕は・・・」と話していると、放送が流れ、「ごめん。俺、もう行かなきゃ。また後で。」と行ってしまった。私は、少しして病室に戻った。よく分からないが、先生の言いかけた事が気になっていた。翌日の朝、中村先生はいつものように検診に来た。そして、昨日と同じように今度は封筒を置いて行った。先生が出ていってから開けて見ると、手紙が入っていた。「昨日は、ゆっくり話し出来なくてごめん。今日も話したかったけど、忙しくて無理なんだ。だけど、これだけは伝えたくて。俺は、七海ちゃんが好きなんだ。迷惑なのは分かってる。だけど、伝えずにはいられなかったから。嫌いなのは、分かっている。ただ、俺を避けないで欲しい。」と書いてあった。私は、半信半疑だった。その翌日の朝、いつものように検診に来る時間に来なかった。私は、来ていた看護士に中村先生の事を聞いた。すると、看護士は、「中村先生なら、今日は風邪で休みよ。もしかして、七海ちゃんも先生狙い?」と言われ、「そんなわけないじゃん!」とむきになって言ってしまった。その看護士は、びっくりしていたようだった。私は、自分にそんな感情があるなんて思わなかった。その日は、いつもより退屈だった。いつのまにか、もうすぐ日が暮れようとしていた。私が、ぼーっと、夕日を見ていたとき、病室に誰かが入って来た。見てみると、中村先生が立っていた。すごくフラフラで、立っているのがやっとのように見えた。私のベットの所まで歩いて来て、椅子に腰掛けた。そして、恥ずかしそうな笑みを浮かべて、「昨日の手紙読んでくれた?」と聞いてきた。私は、「はい。」と応えた。すると、いっそう恥ずかしそうに、「手紙に書いてあった事は、俺の本当の気持ちだから・・・」と行った。その時の顔は、今でも忘れられないくらい可愛くて、愛しかった。私までつられて、恥ずかしくなってしまった。「私は、よく分からないけど、先生の事は嫌いじゃないよ。だから、返事は必ずちゃんとするから待って欲しい。」と伝えた。すると、先生は、「いつまでも待つよ。」と言ってくれた。本当は、私の気持ちは決まっていたのに・・・。それから、1週間が経ったある日、私は先生に気持ちを伝える決心をしていた。しかし、この日先生は来なかった。