あなたを愛し続ける?

タナカ  2007-01-06投稿
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次の日も。その次の日も・・・。そんなある日、病院の中を散歩していると、ある病室を見つけた。そこは、個室で、名前は・・・中・村・裕・二。私は、自分の目を疑った。その部屋に入ってみると、そこには、確かに中村先生がいた。先生には、鼻に管が着けられていて、眠っていたようだった。その姿を立ち尽くして見ていると、誰かが入って来た。見ると、私の担当医だった。その人は、「中村くんは、先日、交通事故にあい、今は植物状態になっている。」と言った。そして、「中村くんは、生前、もし自分が死ぬ事があれば、七海ちゃんに臓器を提供して欲しい。と言っていた。」と伝えて、白い封筒を渡した。私は、受け取るとすぐに封筒を開けた。そこには、「七海ちゃんへ 俺は、七海ちゃんを愛してる。手を繋ぐことすら出来なかったけど、確かに愛していた。この手紙を読んでいる時には、俺はこの世にいないだろう。もし、俺の心臓だけが生きているのなら、七海ちゃんにプレゼントするよ。七海ちゃんの体の一部として、生きる事が出来るなら幸せだなぁ。七海ちゃんがよければ受け取って。最後に、幸せになってね。だけど、欲を言えば俺の事忘れないで・・・。」と書いてあった。いつの間にか、涙が零れていた。担当医は、「あさって、七海ちゃんの心臓移植をする。」と言い、部屋を出て行った。私は、中村先生の所に近寄り、先生に最初で最後のキスをした。そして、「私も、先生の事大好きだよ。今も・・・」と伝えた。私の心は、後悔でいっぱいだった。「もっと、早く伝えればよかったなぁ。」と独り言をポツリと言った。すると、「そんなことない。七海ちゃんの気持ちが聞けてよかった。最後にキスして。お願い・・・」と、目覚めるはずがない先生が、目を開け私を見てそう言った。私は、医師を呼ばなきゃと思い、立とうとしたが先生に手を捕まれ立てない。「先生離して。」と言うが、先生は離さなかった。「俺の意識があるうちにキスして・・・」と先生は言った。



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