軽く気を失っただけのようだ。すぐに気がついた。
「オメガバスター・・・あの神器の名だ。形状は無く、様々な形状に変えられる。総合的に言えば圧倒的に最強の神器だ。」
恐怖を感じた・・・力が無いと・・・非力だと。
「勝てない・・・どうあがいても・・・。」
逃げたいが体が言う事をきかない。
「逃げるだけなら出来る、零。」
「逃げる・・・か。」
何だろうか、逃げる気がしない?馬鹿な・・・とでも感じる。僕は隠れるのを止めた。
「ほう、まだ立ち上がれるとは・・・馬の骨ではないみたいだな。」
ただの自殺行為にしかならないだろう。
「アァァァァァァ!」
何が弾けた気がした。ひたすらに、目の前にいる敵に攻撃する事しか頭になかった。子供の様に。
頭から血の気が無くなった気が・・・。
「馬鹿な・・・何故これほどの力が?一瞬とはいえ、戦慄を感じるほどだ。」
私は見た、上空から。地面が歪み、地割れになっているのを、たった一回の突きがこれほどの威力を。第一、防御したのに、予想を遥かに越えるダメージを受けている。
「あの者は・・・一体。」
・・・
・・・
・・・
ここは何処だ。僕は生きている?何故?わからない、なぜ生きているのか。最後に何が起きたのか。
「目覚めたか、ボウズ。全く・・・運のいい奴だ。あいつに挑んで生きてるなんてなー。」
低い声が聞こえる・・・。