誰が止めるだろう、心が崖っぷちならあたしの愚かな行動を。歩道橋の真ん中 下に見える車通りをぼんやり眺めた後 足を柱に架けた。一瞬周りの気配を横目にしながら、人通りはない 人通りはない うんと頷きながらまた足に力を込める「あのぅー」咄嗟に声がしたので振り向いた。 モデルか?と一瞬でわかる程 背が高い、色が白い 顔は美人とは第一印象がそれなのだろう、と思うような、とにかくそんな感じの女性が声を掛けてきて、あたしは一瞬たじろいだ。 「死ぬ気なのでしょうか?」 真顔だった。変な日本語使いやがって、ここで 「ええ そうですの 恥ずかしながらおほほ」なんて事を返したら良いのだろうか。無視して決意を結構することにした もう一つの足にも柱に架けようと力を入れる お願いだから止めないで あっち行って そう祈った。「あのぉ」 うるさいあっち行け、「死ぬんですよね?」 なんなんだこの女は あっち行け「財布もらって行っていいですよね?」は!?思わず振り向いた。女は あたしが地面に置いたエルメスのバッグごと持って歩き始めた。こ、こいつこんな顔して泥棒か?!てか何故自殺しようとしてる私を止めない? 思わず追い掛けた。「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」 女は振り向きぎょっし