『神水の塔が堕ちたか…ギースの馬鹿はなにやってたんだよ』
燃えるような赤い髪の男が腕を組みながら部下からの報告を聞いていた。
『…報告は以上です!失礼しました。スウェン隊長。』
『ぁあ。構わないよ、報告ご苦労だったね』
スウェンと呼ばれた赤髪の男は苦笑をしながら部下を遠ざけた。
『しっかし、まぁ〜派手にやってくれるねぇ…反逆者アイン君は…』
スウェンは同時に受け取った報告書に目を通しながら頷く。
『ジーク団長に手傷を負わせ、脱走。…そして神水の塔の守護者殺害っと。それと、同行者の女魔術師か〜』
スウェンは肩をすくめた。
『なにがなんだかな〜』
『警備班から報告!東の空に飛行物体が接近中です!』
武装した兵士が慌ただしく駆け込んできた。
スウェンはア然とした。
『例の反逆一味?奴らは飛竜をも操るらしいが…ドラ…』
『ドラゴンです!!』
スウェンが言い終わらないうちに兵士が叫んだ。
『そうか、奴らの目的はこの私の命と封印の鍵だ。この不敗の獄炎の塔の誇りに賭けて撃ち落とせ!全兵出陣だ!』
『はっ』
『反逆者アイン君はここで討つ。』
スウェンは高笑いしながら部屋を後にした。
火山地帯の最深部にある不屈の城塞、後に獄炎の塔と呼ばれる建物の中には獄炎の守護者スウェンが待ち構えているのであった。