初恋をキミに唄う 〜junai〜?

ARISU  2007-01-10投稿
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恥ずかしがり屋の私は、自分の歌を聴かれたのが…たえられなかった。
顔を覆っている手が冷たい。いや、顔が熱い。
「歌、歌ってたの…おまえか?」
「…」
無言。恥ずかしくて声がでない。
…だけど

「歌。上手いな」
「─っえ?」
驚いて、私は顔を覆っていた手を離した。…私の歌が、私が、ほめられた。
「だから、歌ってくれないかな?…なんて、駄目か?」
「!ううん、全然大丈夫!歌って…あげるよ」
私は…やっぱり恥ずかしかった。…だけど、嬉しい気持ちの方が強かったの。

…だから、私は一番得意な歌を歌った。…片思いの歌─…

《唄を歌った》

♪〜〜♪〜♪

《片思いの歌を歌った。》

《…あなたは口ずさんでくれた。》


君を唄った
君も唄った
二人が唄った

初恋の始まりだった。


それから、その人は昼休みに私の歌を聴きに来てくれた。

「暁(あきら)、今日は、私が作った歌なんだよっ!」
「おぅ、すごいじゃん!」
屋上で二人きり。
邪魔する者もいない。あなたの明るい、無邪気な笑顔が…好きだった。
あなたは私の歌を目を閉じて聴いてくれる。私はこの時間が大好き。
…それだけで十分だった。
あなたにも惹かれつつあった。



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