初めて貴方に抱かれた日、まだ覚えている。
まるで壊れ物を扱うように触れてきた手も、少し濡れた鳶色の瞳も、みんなみんな覚えている。
生まれて初めて女の子を抱いたんだろう。それが、嬉しかった。
多分それは、大好きな人に処女でいて欲しい願望と似ていて。
だから、貴方に私の初めてをあげられないのがとてつもなく悔しくて、暖かな体に包まれながら、声をたてずに泣いた。
貴方は何も言わずに、ただ私の頭を撫でてくれた。
相性とか、気持ちよさとか、そんなものばかりセックスに求めていた私にとってそれは
きっと、愛そのものだった。