愛したい...(8)

 2007-01-14投稿
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まるで見せかけだけの人形のように



苦しさも寂しさも

感じなければ

痛さも辛さもない



望んでいた


そんな血の通わないような心を



しょうもない心を








-

「ましろ?」


「うん♪」


「へ〜…珍しい名前…

名字みたいやな」


雨が上がった

さっきまでの
土砂降りが嘘のように晴天


俺はとりあえずこのチビを連れて

コンビニから1番近い公園で

ベンチに座りながら

買ったもんを食ってた



それにしても

違和感がある


俺は聞く事にした


「1個聞いやしな」


「へぇ〜」モグモグ



とりあえず食いもんに夢中やん


「…お前そんな腹減ってるん??」


「うん……昨日から水だけ」


「は?」


「…お母さん結構前から体弱くて

ずっと入院してるから」


「…」


「だから向こう(横浜)でお父さんと二人で暮らしてたんだけど

仕事大変そうだし

だからお母さんに
会いに来たの」



「…何で?」


「ましろがちょっとでも
いなかったらお父さんも楽でしょ?

それにお母さんにも
会いたかったし!」


「…そっか」


「お金は勝手に持ち出しちゃったんだけどね;
でも片道しか持ってきてなくて…」


「んで?あえたん?」

「…ううん.


えと…


大阪に入院してるって事しかしらなかったの忘れてた」

チビは間抜け面で
笑った

「…お前ね…」

俺は大きくため息を着いた


その瞬間ハッとした


「ココにいつ着いたん?!」

「えっ…

昨日の夜かな…」


「あほ!お前今までどこおってん!!」

「わ…わかんない…
とりあえず歩き回って雨宿りしてたし」


「あほ!そこまで計画性ないやつ
初めて見たわ!

普通に危ないやろ!!」


「ごっ…ごめんなさいっ…」


チビは俺の声にびっくりしてシュンとしながら言った


「…!」


また…泣きそうな顔



あほや俺…


何でもっと優しくしたらんのかな


一番怖かったんはコイツやん…




俺は俯くましろの頭をポンポンと撫でた



「…ごめんな」



コイツの気持ちを考えてみたら


俺の胸は針が刺さったようにツキンとした



携帯が鳴る…


出る気にはなれなかった



今コイツの事で頭いっぱいや…

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