慌てて手足をバタつかせても、貴方は「まだついてるよ」と言い続ける。
どこ!?と焦りながら聞くと、貴方はしょうがないなぁと私の腕をとって――
「ここ」
そっとはめられたのは、白い花の輪。
ひっそりと、私の左手の薬指に。
「約束しよう」
黙りこくってそれを見つめる私に、貴方は、
「一緒に幸せになろう」
この時位、貴方が格好つけで気取り屋で自分勝手で強引で、
愛しいと思った時はないだろう。
格好つけるな馬鹿、とか、あんたに幸せにしてもらえるの?とか、巧い事は言えなくて
私は静かにうなずいた。
幸せになろうね、と。