「・・・って言ってくれてるんだけど・・・どーする?ねぇっ捺ーっっ。」
陽向自身は住人の1人2人増えてもそう生活が変わることはないのでただ楽しくなるだろーなーとしか思っていない。
たとえこれが必然の出会いだとしても。
「・・・ここは素直に受け入れたらどうでしょうか?朝兎。」
「・・・え?」
何処からか突然声がする。
それはそれは澄んだ綺麗な女の人の、声。
「えっじゃあ陽向・・・住んでいい?」
ふ、と朝兎が陽向に向けて顔を上げる。
「あっ・・・うん。構わないよ。」
先程の声の主を捜しつつ陽向は許可をする。
「ありがと陽向ー!」
ふわっと笑う。
思わず可愛いと言いたくなるような笑顔で。
「捺も御礼言わなきゃ。」
懐中時計を陽向の前に差し出す。
「・・・?」
陽向がじっと見ているとぶわっという轟音が轟いて風が吹く。
「・・・っ・・・あっ人・・・?!」
時計の影が薄くなってゆくと同時に人の影が濃くなってゆく。
ぱっと見中学生くらいの女の子が出て来た。
「初めまして。時計の時任捺(ときとう なつ)です。」
「・・・時・・・計?」
「そうなんです、因みに朝兎は兎なんです。」
「びっくりー?」
にこっと笑いながら朝兎は言う。
「あ、うん・・・びっくりだよ・・・んで、何でうちに居るの?」
「それはねー・・・。」
朝兎が話し始める。