MOTELから一気にパーキングエリアの駐車場まで走った。
息が切れる。緊張で汗が出た。
車の近くで止まって、息を整える。そして、冷静にさっきの会話を思いだした。((20ドル。))
男の声が頭の中で響く。
…20ドルなら私にも払える。
これからはじまる憂鬱考えると、すぐに答えは出た。すると、パパが戻って来た。
「気分は良くなったか?」そういって、缶ジュースを渡した。
「ん…まぁ。」
ジュースを受け取って、少し間を置いて、勇気を出して言った。
「あのさ!私、やっぱ今年は行かない。」
パパの顔が一瞬にして曇った。
「どうした、いきなり?……もしかして、ママと何か…」
「違うの!!」
私は必死に理由を考えた。「あの…さっき、向こう歩いてる時友達から電話きて。泊まりに来ないかって誘われて。そっちに行きたいなって思って。」
パパは考えているようだ。「パパ?」
「友達は何人なんだ?男が一緒ってのはなしだぞ。」パパは厳しくそう言った。私はとっさに嘘をついた。「私ともう二人。男となんてつるまないよ。」
パパはまた考える。
「…お前ももう十九だからな。いいだろう。でも、男と酒だけはダメだぞ!それは約束だ!」