『かぜ、かぜふーくーなー、、しゃぼんだま、とばそ、、。』
彼が亡くなったことは速報で全国に、、オバサン共の会話のネタになった。
皆警察から状況説明を求められ、私も二、三言応えた気がした、、。
そんな私のことより、彼の親族に目がいき聞耳を立てていた。
泣きじゃくる彼女に容赦ない質問、、ホントにあの警察は人間なのか?
最低でもああわなりたくないとおもった。
会社へ戻り今日描いた絵をテレビ局へ送る。
午後のニュースできっと扱ってもらえるだろう。
数時間後、、電話が鳴り関係者から問いだたされる。
どうやらあの場に私と同じ人種があと三人ほどいたらしい、だが私の描いた容疑者だけ顔が違うらしい、、。
そんなはずはないと抗議したが受け入れられること無く私の作品はボツとなった、、。
午後のニュースを見る、、確かに私がみて描いた彼ではなかった。
二重人格だった彼となにか関係があるのか?
死人に口なし、、確認するすべはもうなかった。
それからの私は人と接するのが怖くて仕方なくなった、、皆二つの顔があるのだ。
例えるなら表と裏とでも言おうか。見えるのだ、、またもう一人の奴の話も聞こえてくる、、。
会話している裏で相手への皮肉、憎悪、嫉妬などこんなにも人間を怖いと思ったことはない、、。街を歩けば気がおかしくなりそうだ!!
私は引き篭る日が多くなっていった、、。
怖くて自分の顔もみれず、孤独さも更に増す。
しかし、ふとしたきっかけで鏡の前の自分をみてしまった、、。
そこにはあの彼が写っていた、、。
、、、その夜、部屋を掃除し。長年音信不通だった親に電話をかける長生きしてくれと話を終え。旅立つ準備をする、、。
月がよく見える場所を選び、私の中途半端に長い人生に幕を閉じることとしよう、、。
『かーぜ、か、ぜ、、ふく、な、、。
しゃぼん、、だ、ま、、×××』