「陽子は、運命って信じるかい?」
「んなもん信じねぇよ!運命なんてあったら、こんなあたしはきっとぃなぃよ」
目に涙をいっぱいにためて言った。
「人はね、生まれる時…もっと前、魂の時にある程度の運命を決められるんだよ。」
「はっ?たましぃ?」
私は、おばあちゃんがボケたと思った。
「そぅ、魂の時さ。まずは親を決めるんだよ。そしてどんな兄弟がいいか、どんな人と出会ってどんな恋愛をするか、どんな人生を歩むか。」
おばあちゃんは、私の目を見て話しを続けた。
「これはね、おばあちゃんのお母さんから聞いた話しなんだ。陽子は、この話しどう思う?」
「バカバカしい…」
私はそう言って、自分の部屋に行った。
何故こんな話しを今思い出したのか、その時の私にはわからなかった。
いろいろあったが、今は23才になりあの頃より大分大人になったと思う。
バイト先の次長(店長より偉い人)と20才の時に結婚し、息子が一人名前は《勝也》
子育ても一段落した私は、夫に頼まれ週三でガソリンスタンドのアルバイトに復帰した。復帰して一週間後に仁美がきたから、仁美の高い声は今でも忘れない。