砂漠に降る雪

火武  2007-01-26投稿
閲覧数[363] 良い投票[0] 悪い投票[0]

寒さに、頬を赤らめる少女
まるで頬に血を浴びてしまったように見える
寒さに、手を袖の中に入れている少年
まるで手首から先を吹き飛ばされてしまったように見える
寒さで、人々のはく息は白く映る
まるでそれは魂のように見える
 
この町は、他のどこかに、とてもよく似ているような気がした
 
ここには雪が降っている
いつか溶けて、全ての生き物を歓迎する命の恵みだ
その温度と質量で、万物を飲み込み滅っする破壊の刃だ
そんな両極を持った雪は
無条件で目を引き付けられる生娘のような美しさを持ちながら、そのほとんどはゴミで構成されている
そんな、まるで神話のような矛盾を孕んだ雪は
 
空から、降ってくる
 
雪は
ミサイルに
とてもよく似ている
 
そして
この町は
どこかの砂漠に
とてもよく似ていたんだ
 
 
爆発するような朝日を受けても
未だ溶ける気配を見せず
雪はそこに在った
 
この町と
どこかの砂漠と
世界は確実に
繋がっている
 
それを忘れてはならない



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 火武 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]
ブツブツ・ザラザラ…
ツルリン綺麗な美肌♪


▲ページトップ