寒さに、頬を赤らめる少女
まるで頬に血を浴びてしまったように見える
寒さに、手を袖の中に入れている少年
まるで手首から先を吹き飛ばされてしまったように見える
寒さで、人々のはく息は白く映る
まるでそれは魂のように見える
この町は、他のどこかに、とてもよく似ているような気がした
ここには雪が降っている
いつか溶けて、全ての生き物を歓迎する命の恵みだ
その温度と質量で、万物を飲み込み滅っする破壊の刃だ
そんな両極を持った雪は
無条件で目を引き付けられる生娘のような美しさを持ちながら、そのほとんどはゴミで構成されている
そんな、まるで神話のような矛盾を孕んだ雪は
空から、降ってくる
雪は
ミサイルに
とてもよく似ている
そして
この町は
どこかの砂漠に
とてもよく似ていたんだ
爆発するような朝日を受けても
未だ溶ける気配を見せず
雪はそこに在った
この町と
どこかの砂漠と
世界は確実に
繋がっている
それを忘れてはならない