グォーオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
龍雅と綾香の見つめる山では謎の轟音がこちら側にまで轟いていた。
ゲン「龍雅!!緊急事態じゃ!!今回ばかりは本当にヤバイぞ!!」
龍雅はゲンの方を向いた。
龍雅「わかっています。ゲン爺さん。今度こそディア=パノスと俺の出番だ!!」
そう言って山車小屋の方へ向かおうとする龍雅をゲンが引き止めた。
ゲン「あ〜待て待て待て!!今回はいつもとは違うんじゃ!!とりあえず作戦を立てる!!良いか!!龍雅!今回は作戦が命じゃ!!力任せでは限界がある!!とりあえず来るんだ!!」
龍雅は渋々了承した。三人は自転車屋に入り、中央部にある製作台に集まった。
ゲンが切り出した。
ゲン「龍雅。心して聞け!!先程山岳警備隊から無識別の救難信号を受け取った。敵はジゴクワグマ。まぁこれだけなら別にお前を呼ぶことはない。」
龍雅「ではなぜ?あの轟音の正体は?」
ゲンは急に口が重たくなってしまった。しばらく間を置いた後、再び切り出した。
ゲン「今回の敵の数は…千体…もしくはそれ以上と言う情報が入って来た。おそらくあの轟音は仲間と叫ぶ際のサイン…。」
龍雅は目を細めた。
龍雅「…つまり、この辺り一帯のジゴクワグマが集結して街に向かっていると。」
ゲン「軍のスクランブルも少し時間がかかるらしい…。…そこでだ。この状況を解決するための唯一絶対無二の作戦を思いついた。」
ゲンの口調は一気に軽くなった。そしてサッと台に周辺図を開いた。
ゲン「龍雅!!お前はスクランブルが到着するまでの間、正面から迎え撃ってあのデクノボウ軍団を食い止めろ!!」
龍雅は目を丸くした。そして顔を引き締めた。
ゲン「わしらは迂回して以前『ワルノメーリファミリー』の使っていた砦を目指す!!」
綾香はこの時、一抹の不安に駆られた。
綾香「もしかしてアタシも爺さんに同行すんの?」
ゲン「当たり前じゃ!!今の世の中不景気でどこもかしこも人手が足りないんじゃ!!お前の仕事は後で言う!!」
綾香はふて腐れた。
龍雅「爺さんが何やろうとしてるか、わかったぞ!!」
ゲン「そうじゃ、アレしかないんじゃ実際。では早速から作戦を開始する!!」