日も暮れてしまい、あたりは薄明かりの状態となった。山の岩肌がゴロゴロと剥き出しになる中、龍雅は自らのストライカー『ディア=パノス』に乗り込み、来るべき戦いに備えていた。ディア=パノスは仁王立ちで待ち構えていた。
一方こちらは龍雅のいた位置から随分離れた森林地帯。
山頂目指して林道を爆走する一台のジープ。
綾香「きゃあ!!ぶつかる!!ヤバイヤバイ!!」
何と綾香がジープを運転していた!綾香は女子高生であり、原チャの免許は持っているが当然のことながら車の免許はもっていない。
ゲン「あ〜!!やかましいのう!!オートマだから何とかなるじゃろ!!道も真っ直ぐだし。わしはこれを修理せなならんから運転できんのじゃ!!急げ!アクセル全開じゃ!!」
ゲンは隣で何やらバッテリーの修理を行っている。
綾香「…は…話かけんな!!」
綾香は必死である。
一方、龍雅は綾香達が向かった山の方を見ていた。
龍雅(ワルノメーリファミリー……かつて俺が壊滅させた義賊か…。その時はまだディアパノスもつぎはぎだらけの装甲で…。)
ピーピーピー
その時、通信回線の信号が送られて来た。
龍雅(…?ゲン爺さん?)
前方に手を伸ばしスイッチを切り上げ、モニターを開いた。
青髪の男「ふふ…君が峰崎龍雅くんか……先の大戦ではよくもやってくれたね?いや、我々にとっては『聖戦』か…。」
龍雅「……何の事だ!!」
青髪の男「おや?覚えていらっしゃらない?それは残念ですねぇ…。我々『革命教団』を忘れてしまったとは…。」
龍雅の顔は一気に青ざめた。
龍雅「ば、馬鹿な!!あいつらはもう一年も前に滅んだはず!!」
青髪の男は人差し指を縦に振った。
青髪の男「だが現にこうして生きている。つまり…神様が我々を認めて下さったのだ。そして今度こそティンジェル=ガトナー様の果たせなかった新世界の創造を我々の手で!!」
すると横から銀髪の男が現れた。
銀髪の男「お久しぶりです。峰崎中佐。」
龍雅はその男に見覚えがあった。
龍雅「ガ…ガイラーか!?どうしてお前がそこに!!」
ガイラー「どうしてってここにいるハーツ様も含めて『我々は同士』だからですよ!ここで偶然に上官殿に出会えて光栄です。それではパーティーを楽しんで下さい!」
その時!!黒い大群がディア=パノスに襲いかかって来た。