目を開けると、天井らしきものが見えた。体を起こそうと思っても、起きなかった。手を動かしてみた。大丈夫だ。次は足を動かしてみた。右足は動いた。左はどうだろうと思って、動かしてみた。すると、とんでもない激痛が走った。思わず、叫んでいた。
それに気付いた、誰かが僕に話し掛けてきた。しかし、何を言っているのか、さっぱり分からなかった。そのまま、また意識が遠退いた。
夢を見ていた。しんしんと降る雪の中、一人の女の人が踊っていた。僕はその女の人の踊りを見ていた。一区切りがついて、僕は拍手をした。照れ臭そうに女の人が、ぺこっと頭を下げた。そして、僕のほうに近寄ってきた。そして、その人はこう言った。
「この日を忘れないでね。私はあなたに会えて嬉しかった。さっ、そろそろ目を覚まして。私はあなたが忘れないかぎり、ずっとそばにいるから」
最後の方はほとんど聞き取れなかった。光の中に女の人は消えていった。どこかで、会ったことがあるような気がしてきたけど、思い出せない。
周りが騒がしい。目が覚めた。
周りを見渡すと、母さんや父さんや、友達がいた。みんな泣いていた。ぼーとする頭で、眺めていた。僕が目を覚ましたことに気付いてないらしい。続