ねぇシン―\r
もし私があと5年遅く産まれてきて、
もしあなたと同じ世界にいれたら、
ちゃんと恋愛ができたかな。
どうせこんな終わりが来るなら―\r
情けなくても格好悪くても、
素直になればよかった
一度でいいから
ちゃんと気持ち伝えたかった
「……愛してる…………。」
大好きなバラードが聞こえた気がした……けど、もぅ限界。
真っ暗な闇に私は堕ちていった――
ピピピピピピ…
高い電子音に、私は目を覚ました。
頭がガンガンなる。
とにかくふらつく頭を支えながら目覚ましを止めて一息。
いつも通りの朝。
いつも通りの時間。
いつも通りの部屋。
ただいつもと違うのは、隣にタカシが寝てること。
あぁここまで運んでくれたのか……ご丁寧に目覚ましのスイッチまでいれて……。
あどけない寝顔に微笑みかける。
「ありがと。」
柔らかい髪の毛を撫でようとした時、危うく嫌な記憶が蘇りかけた。
あ〜ダメダメ!
無理矢理思考を停止。考えないですむよう私は急いで支度を始めた。