[・・・・・お前他の奴らの中で一番賢そうだから言っとくわ]
唐突にザックは言い出す
ある岩を背もたれにして休んでいたクーロンは無言でザックを見た
[禁断の藪の封印契約書]
クーロンに差し出されたザックの右手にあったのは、一つの黒い巻物
[噂なら聞いたことあるよ、あくまでも噂の範囲だけどね]
[ならそれ見てみろよ。でも俺ぁ噂なんざ聞いてねぇからな]
俺は知らない。とゆうように
黒い巻物をクーロンに手渡す
クーロン巻物を止めていた紐を、ザックの様子をうかがいながらほどく
[・・・・・・・・これは]
内容を凝視し、驚く
[たぶんお前の知ってる噂と違うだろ?それ]
ニヤリと笑う
そんなザックにクーロンは少しあせった表情で
[こんなの・・・・・]
[ふざけてるってか?]
うん、とクーロンはザックの言ったことに頷いた
なぜ言おうとしたことが分かったのか、勿論ザック自身が内容を知っているからだ
[この禁断の藪に隠された謎がそれってわけだ、この内容は俺と長老とお前、あと俺のオヤジが知ってるらしい。なんでかしらんが]
ふっ、と意味深な笑みを浮かべ
俯くザック
[でも、なんでザックがこんなの持ってるのさ・・・!]
クーロンの冷や汗がすごい
ザックも少し焦っているようだ
[・・・・・・・・・・。そんなことはどうでもいいだろ、]
何故かギロリと鋭く睨むザック
その気迫に少しのけぞったクーロンだったが、すぐに立ち直り、聞いた
[分かった、サクラ達に言ったらややこしくなるよね、・・・特に青]
だな と微妙に微笑む
だが その微笑には
まったく余裕がない
[『禁断の藪の封印解かれしとき、異界への扉開かれる』・・・・・・、シャレになんねぇな]
手に持った巻物を握り締め、ザックは立ち上がる