『ここ。オバケビル。』 た、確かに気味悪い。午後5時半。ガラスは全部破れていて、屋上にはカラスまで飛んでやがる。確かになんか出そうだ。内心、怖くてあまり来たくなかった。隣のラーメン屋は普通に営業してる。 『よし!。行くか!。』 光の大きな声が細道に響き渡る。そしてオレ達は歩き始めた。薄暗い細道を。 『行き止まり。』 暗くて見えなかったが、奥には大きなコンクリートの壁が立たずんでいた。なんのために作られたのかはわからない。ただ、[ずっしり]といった感じで立っていた。 『じゃあ往復するか。』 そう言ってまたスタート位置に向かって歩きだした。『はい。1周目。』 入り口に戻った。そしてオレ達は無言のまま2周目を歩き始めた。 4周目。最後の折り返しにさしかかった時、ふと思った。 『ドアってどこに出んの』『わかんね。俺の想像だと空とか? それかオバケビルじゃない?』 そんなことを考えている時、5周目を終える最後の1歩にさしかかった。 『最後の1歩だな。』 2人一緒に最後の1歩を渡ったその時!