[うそぉ・・・]
【ドベガバヌルブアガ・・・・】
サクラたちは今
絶体絶命の危機にあった
[やばい系・・・・あはははは...]
レインの顔も引きつる
敵に囲まれたのだ
しかも かなりの数の敵に
【グアオウイナマセイザンナァ】
[な、何言ってるの・・・こいつら]
言葉のような声を放つ怪物
サクラは心の中で願った
[(青・・・・・助けてよ・・・!)]
しかし届くはずもなく、怪物はジリジリ近づいてくる
少し怪物が動くたびに恐怖がこみ上げてくる
[あっ・・・・、サクラ!!アレ・・・]
レインが固まっているサクラの肩を揺する
言われてゆっくりと振り返ると・・・
[???門・・・だ]
うん とレインが指差しながらサクラを見る
入ろう。と サクラにアイコンタクトを送っているのだろう
確かに入らなければこの怪物の大群から逃れられない
しかし、サクラはこの門には入りたくなかった
その茶色の大きい門は見るからに古くて、そして何故か
[(この門・・・・見たことが・・ある・・)]
しかし、はっきりとは覚えていない
思いだそうとしても霧がかかったように霞む記憶
はっきりしないのが気持ち悪くて
入りたくなかった
しかしレインはサクラの腕を強く掴み、門の方に引っ張っていく
[ちょっ・・・!嫌だってば!!違うとこに逃げよーーーー]
サクラは戻ろうと足を踏ん張る が、
まったく動けない
しかもレインは腕を掴んで、その場に立っているだけなのに
[レイン・・・・?]
『世界が終わろうとしている・・・止める方法は一つ』
ぬらぁ、と顔を上げる
[!!]
サクラを見た顔は、レインではなかった
闇のような漆黒跳ねた毛に、短い三つ編み、白の分厚いコートに怪しい仮面
『リトルブルーの意志を継ぐものを生贄の祭壇に捧げる』
[え?]
男のつけている仮面の表情は気持ち悪いぐらい笑っていた
[離してよ!!]
ぐい、とサクラは自身の腕を引くが男はびくともしない
『リトルブルーの意志を継ぐもの・・・』
恐怖
後ろにたむろする怪物よりも巨大な恐怖
[あ・・・あ・・・]
仮面の裏で男が笑ったような気がした