ジョージが「俺が誘ったから。」と言って、私の分も入場券を買ってくれた。
「はい。」
ジョージが券を一枚私に手渡した。
「ありがとう。……二人とも見てなかった映画がラブロマンスなんて、恋人がいないって…言ってるようなもんだね。」
少し恥ずかしかったが、言わない方がくすぐったい気がした。
「あぁ、確かに。こういう映画は、一人で見る気になれないからな。」
ジョージも少し恥ずかしそうに笑っていた。
ラブロマンスを見に来る人は大抵、カップルだ。
しかも、映画を見ると言うよりもその映画の雰囲気をかりるために来てる人が多い。
そこに一人でいるというのは、かなり…疲れるだろう。私には耐えられない。
多分、ジョージも似たような事を思っているんだろう。
「ポップコーンとジュースいる?」
ジョージは売店を見て聞いた。
「私はいらない。まだ、ハンバーガーとコークていっぱい。」
「俺もだ。」
そういって、チケットに書いてある“スクリーン3”に向かった。